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大腸病変A

  • 《C1、C2》
    上皮直下にコラーゲンバンドの肥厚を認め
  • 《D1、D2》
    薬剤中止3ヶ月後、コラーゲンバンドの肥厚は消失した
  • 《Presentationの意図》
    難治性下痢の原因として最近話題のコラーゲン性腸炎を提示。内視鏡所見は正常範囲の粘膜から縦走潰瘍を呈す症例まで所見が多様であり肉眼所見が正常であっても組織学的変化が存在しうることを認識したい。原因薬剤として3例はPPI、1例はアスピリンが関与していた。薬剤中止で治癒し組織学的にもコラーゲンバンドは消失した。 Collagenous colitis(コラーゲン性腸炎)・・・1976年に最初に報告された水様性下痢を主訴とする大腸の炎症性疾患
  • 【診断】
    従来の定義では、注腸造影および内視鏡所見などに画像上の異常所見がないとされていた。近年、内視鏡詳細観察で浮腫、蒼白粘膜、血管透見の不明瞭化、顆粒状粘膜、縦走潰瘍などが認められたとの報告があるが頻度は多様(本邦報告:75%)
  • 【診断A組織学的診断】
    (i)大腸粘膜からの生検 (ii)上皮直下における collagen band の肥厚 (Collagen band10μm以上を有意とする) S状結腸 直腸より深部大腸に強い傾向(複数箇所の生検が必要)
  • 【病因】
    不明(仮説の域を出ない)、NSAID,PPI(特にランソプラゾール)、チクロピジン、カルバマゼピンなど多岐にわたる薬剤の関与が報告されている
  • 【何故LPZでの報告が多いのか?】
    PPI(OMP,LPZ.RAB)の比較文献はないがシステイン残基321位の結合が関与している可能性を示唆する文献がある。RABも321位と結合するが、コラーゲン性腸炎の報告はない。他の因子が関与している可能性がある。
  • 【治療】
    薬剤起因性の場合は、原因薬剤の中止のみで改善する薬剤が関与しない場合、メサラジン、スルファサラジン、ステロイドなどを使用
case
症例